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いつか、きっと

「ノルウェイの森」の断片

何故彼女が僕に向かって「私を忘れないで」と頼んだのか、その理由も今の僕には分かる。
もちろん直子は知っていたのだ。僕の中で彼女に関する記憶がいつか薄らいでいくであろうことを。だからこそ彼女は僕に向かって訴えかけねばならなかったのだ。
「私のことをいつまでも忘れないで。私が存在していたことを覚えていて」と。
そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。
(村上春樹「ノルウェイの森」)


現に僕が哀しかったのは
自分という存在が いわば道具のようなものだったからだろう
少なくとも自分の中にあるのはそんな実感でしかなかった
確かに自分は必要とされてはいた
しかし愛されているという実感は欠片もなかった
それが未熟さから来る誤解であったか あるいは非情な現実だったかは
今はもう確かめるすべはない
by hishiamazon-na6 | 2006-07-15 00:57 | その後
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一歩ずつ前に進もう。ヒシアマゾン@管理人

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